家族の愛と全てを奪う戦争 『Mr.Children 花の匂いのミュージックビデオ』
今回はいつみても僕が泣いてしまうMVについて書いていきます。
Mr.Children/花の匂い
この曲はSMAPの中居正広さんが主演されていた映画『私は貝になりたい』の主題歌となった曲です。
この歌は二度と会えない人に対する愛や悲しみを書いた曲です。
ファンの間ではボーカルの桜井さんがお亡くなりになったお父さんに向けて書いた曲なのでは?と言われています。
(この話に関しては本人からは言っておらず、あくまでファンの間での考察です。)
そしてこの花の匂いのMVがとても考えさせられる、感動する作品になっています。
①仲良く暮らすウサギ達
主人公はウサギの家族。
父と母、そして息子の三人で暮らしています。
最初は家族三人で写真を撮る仲睦まじい様子が描かれています。
この一家が過ごすのは他のウサギたちが過ごしている街から少し離れているところです。
そこでお父さんは毎晩、植物の研究に励んでいました。それを見守る母と息子。
非常に仲がいい家族です。
②一家に訪れる悲劇
ウサギたちが住む街に一台の黒い車がやってきます。中からは黒いスーツを着た鹿が降りてきます。
ウサギたちはその鹿にむかい敬礼をし、その中にはお父さんウサギもいました。
そして鹿はゆっくりお父さんウサギの前に来て一枚の赤い札を渡しました。
実はこのうさぎたちの国では戦争をしてました。お父さんはその戦争に出兵しなければいけなくなりました。
悲しみに暮れる一家…お父さんは悲しみに明け暮れながら出兵の準備をしていました。
そしてついにその日が来てしまいます。
車の中には戦争に行くであろう兵士達とお父さんが乗っています。
うさぎ達は俯き、お父さんは見送りに来てくれたお母さんと息子をただ見つめ…
そして車が立ち去ってしまうとお母さんはその場で泣き崩れてしまいました…
③戦争の始まり
空から降り注ぐ爆弾、ただ行進するウサギの兵士たちと戦車…
ここの映像が戦争の悲惨さを物語っています。
そして家では夫の無事を祈り、壁に飾られた写真を眺めるお母さんウサギ。
そして子供ウサギはお父さんの研究室の前に立ちすくんでいました。
子供ウサギはお父さんの研究室から花の種を一つ持ち出し、外に植え育てました。お母さんはそれを泣きながら見つめています
そして戦場にいるお父さんウサギが銃が飛び交う戦場を駆け抜ける中ふと横を見ると、そこには幻か、種を育てる息子の姿…
④結末
桜井さんのボーカルパートが終わると壮大な音楽とともに今までの家族の思い出がフラッシュバックのように出てきます。
最初に撮った家族写真、悲惨な戦争のシーン…
そして最後は子供ウサギが青年になり、満開の花畑の中にただ立っていました。
後ろには荒廃してしまったウサギ達の街。
そしてその花びらが空に舞い、この映像は終了します。
「最後に残されたのは消えない親子の絆か、戦争の傷痕か…」
ここから僕がこの映像を見て思ったことを書きます。
このMVは全体を通して感動するストーリーなのですが、最後のシーンがとても印象的でした。
成長した子供ウサギが、お父さんが夢中で研究してた種を成長させてお花畑を作ったのはお父さんの大切なものを引き継いだんだ…
と感動しました。
その綺麗なお花畑の背景には荒廃してしまい誰も住んでいないウサギ達の街。
繋いでいくものと終わってしまったもの、一つの絵に真逆のものが写っています。
罪がない人からも全てを奪う戦争の悲惨さと、たとえこの世からいなくなっても愛する人の気持ちは自分の中に残っているという絆、最後に大人になったあのウサギが思ったのはどちらだったのか…
※余談
さっきこの花の匂いは桜井さんが亡くなったお父様に向けて作った曲と言いましたが、それはHANABIのほうでは?と言う考察もありました。
桜井さんは歌詞の二番の方に伝えたいことを書くと仰っていましたが、二番の歌詞をお父さんに向けて書いたと思うと、あながちこの考察も合っていると思いましたし、それを知ってからHANABIをまた違った感覚で聴いています。
僕の中でこの曲は両方歴史に残る名曲だと思います。